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this worthless life

思ったことをそのまま書きます

鶴橋風月 梅田店

お題「忘れられない飲食店」

今から20年以上も前のこと。

大阪に行くことになった。大阪と言えばお好み焼きでしょ、と旅行雑誌でその店を見つけた。大阪に長く住んでいた人にこれを話すと「お好み焼きなんて、家で焼いて食べるもので、外ではねぇ」と言う。

梅田に着いた。店を探す。店の前には椅子に座って待っている人が何人かいた。しばらくして入ることができた。30代前半のような若いお兄さんが店長みたいだった。

威勢のいい掛け声。従業員同士の挨拶。とりあえずモダン焼きを頼む。偶然店長のような人が、私のテーブルを担当してくれることになった。手際よく具をかき混ぜてくれて、焼いてくれる。ボールのようなもので蓋をして「しばらく待ってください」と言われ、お兄さんはどこかへ行ってしまった。時間が経ち、忘れちゃったんじゃないのか、と思ったときお兄さんがやってきて、ふたを開けてひっくり返してくれた。絶妙なタイミングだった。できたお好み焼きは、麺はパリッパリ、生地はフッワフワ。こんなお好み焼きは初めてだった。山芋云々ではない。作り方がひとつの職人の技術だった。これが大阪のお好み焼き。カルチャーショックとはこのこと。

店を出ていくとき、素晴らしい接客をして頂いたお兄さんに「おごちそうさまでした。おいしかったです。」と言うと、にっこり笑ってくれた。

あれから時は流れ、ネットには食べログと言うものができた。ランキングはすぐわかるようになった。私は何軒ものお好み焼き屋に行った。おいしい料理もたくさん食べた。しかし、あの時の衝撃を超える味に出会ったことはない。

大阪の味を教えてくれた店。

それが鶴橋風月梅田店だった。